2004年2月20日金曜日

magazine

HOT SHOTS 完成披露会見ルポ
5人それぞれが役者として帰ってきた!
嵐が演じるコメディの渦の中に堤節がうなる

  Date: 2004.02.20.
  From: キネマ旬報 1400号
  By: 石津文子
  URL: http://www.kinejun.com/kinema/bkno/200403_1.html


嵐のメンバー5人の主演映画第2作「ピカ☆☆ンチ(ピカンチ ダブル)LIFE IS HARDだからHAPPY」が完成した。物語は、前作「ピカ☆ンチ」から3年後の設定。八塩団地に育った5人はそれぞれの道を歩んでいたが、八塩ヒルズ建設反対運動に巻き込まれたことをきっかけに、絆を取り戻していく。前作に続いて監督は堤幸彦。

「二つで一つの作品だと思っているんです。だから前が終わったときから、続編を絶対に撮りたいと強力にアピールしてました(笑)。特に今回はストレートな、胸にキュンとくる青春映画になっていると思います。自分の青春時代に体験できなかったことを映画でやっている。嵐はみんなタフになりましたね。恐ろしくやりやすい。勘がいいので全部説明する必要がないんですよ」と、監督は嵐の面々の成長を絶賛する。

今回、中心となるのは大野智演じるハル。前作に続いて秋山菜津子の人妻と不倫関係にあるが、さらに反対運動のリーダー、櫻井淳子にも引かれてしまう。

「なんで僕が主人公なのかわかりません(笑)。今回もハル君は、八塩一運の悪い男。でも、みんなの嬉しい顔や、せつない顔など、いろんな表情が見られると思います」

堤監督が「マダムキラー」と評する大野は、冒頭に欽ちゃん走りで登場するが、さすがに堤監督に指示されたときは面食らったそう。でも、欽ちゃん走りをしても、なぜか不自然じゃないのが、ハル=大野ならでは。特徴のある声でナレーションもこなしている。

アメリカから3年ぶりに帰国するタクマを演じるのは二宮和也。スケボーの修行に行ったはずだが、実はメロコア・バンドのリーダーに。

「タクマが帰ってきて、止まっていた時間が動き出すんです。5人の時間は5人が揃わないと針が動き出さない。今回はいいお話になっていると思う。監督とは密に仕事をしているので、集中できますね」と、二宮は堤監督への信頼を語る。

櫻井翔が演じるヤンキーのチュウは前作から大変身。結婚し、一児の父となり、家電店のトップ販売員になっている。

「チュウは家族への責任感と葛藤がある。タクマが帰ってきても前と同じようになれない自分に嫌悪感があるんです。演じる上では、以前よりお芝居に構えなくなりましたね」と語る櫻井だが、ひとつだけ残念なことが。「前作でのクレーンの勉強が生かされてない!(笑)」という言葉はその通りだが、前作で屋形船の酔っ払いを見て「あんな大人になりたくない」と言った場面は、今回の重要なモチーフ。一番成長したキャラクターであり、大人の共感も呼ぶ。

相葉雅紀演じるシュンは、青学を目指し浪人をしたはずが、なぜか編み物の達人に。相葉自身、休憩時間にも編んでいたそうで、「編み物をしていると時間が早く感じるんですよ」との発言には実感がこもっていた。堤監督はコメディアンの素質が一番あると評していたが、相葉いわく「監督は頭のぶつけ方を丁寧に教えてくれました」とのこと。

松本潤のボンは流れ板になると称して修行中。「日本料理の修業には苦労しました。メンバーとの共演場面は少ないんですが、タクマとシュンが訪ねてくる場面で『ピカ☆☆ンチ』だなと実感しましたね。今回は同世代の葛藤が描かれていて、より感動できる青春映画になっていると思う」と松本も言うように、笑いの中にも、若者が成長する上で避けて通れない葛藤が、ビル建設反対運動の顛末に重ねて綴られている。堤監督の真摯な視線が透ける清清しい青春映画に仕上がった。

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