再び動き出した8年目 本人が語る飛躍の核心
Date: 2007.12.04.
From: 日経エンタテインメント! 130号
By: 遠藤敏文 木村尚恵(編集部)
URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200801/index.html
ドラマ、映画、CD各ジャンルの年間ランキングを見ていくと、『花より男子2(リターンズ)』『硫黄島からの手紙』『Love so sweet』など、いずれも上位に嵐やそのメンバーの名前を見つけることができる。春には、東京と大阪で初の単独ドーム公演を開催し、夏の全国ツアーなど、07年コンサート動員は、デビュー以来最多の100万人。7月に発売したニューアルバム『Time』は前作の2倍のセールスを記録した。売り上げダウンの話題ばかりが聞こえてくる音楽業界では、珍しく明るいニュースだ。
嵐にとって、07年はまぎれもなく飛躍の年だった。二宮和也は、そのメンバーの一員として、客観的にグループを見つめてきた。
07年は、「最近きてるね」と言われることが多い1年でした。言われ始めのころはピンとこなかったけれど、最近は素直に「僕らはきてるんだ」って暗示をかけて受けとめるようにしてます(笑)。
これがデビュー10年目とかの節目の年なら“仕掛けた感”もあるのでしょうが、僕らは8年目ですから、07年に照準を合わせて活動していたわけじゃありません。1つ1つの仕事をやっているうちに、あとから数字や評価がついてきたというのが実感です。最初は、CDの売り上げが倍とかになっているのを見ても、「この数字、誰なんだ?」って半分疑ってかかってて、「ファンの子が無理していつもより多く買ってくれたのかな?」って思ってたんですよ。でも、レコード会社の人が言うには、本当に新しいファンの方が買ってくれているみたいなので、ありがたい話です。
ジャニーズのアイドルは常にファンに囲まれている存在だ。そのせいか、もしかしたら「売れている」ということに対して鈍感になっているかも、と思うことがある。しかし、二宮の言葉から伝わってくるのは、自身の活動に対する“悟り”のような思い。それは、嵐というグループのバックグランドに理由がある。
嵐は、それまであんまり褒められるタイプのグループじゃなかったから、「きている」という状況には不慣れなんです(笑)。うちの事務所にはたくさんのグループがいますが、その中でも「地味」だとか、「マイナーなことばっかりやっている」っていうのが嵐に対する共通イメージでした。だから、東京ドームみたいな大きい会場でコンサートをやるっていうのは、ちょっとシュールと言いますか、最初、バラエティ番組のドッキリ企画なんじゃないかと思いましたもん。
大会場を埋める動員力を持つようになった彼らだが、改めて認識したことがあるという。記憶はデビュー前にさかのぼる。
ジャニーズJr.時代に、先輩のコンサートにバックで出ていたとき、台風で交通網が全部止まったことがあったんです。遅れて来られた方はまだいいほうで、どうしても来られなかった方もいたんですが、ちょうどそのとき僕は3曲ぐらい誰もいない客席の前で踊ったことがあります。たまに思い出すんですが、あれほど寂しかったことはありません。
東京ドーム公演をやらせてもらって分かったのは、大事なのは会場の大きさじゃないということ。広いスペースがお客さんで埋まっている光景を見て、まったくいなかったときのことを逆に思い出しました。どんな会場でも、お客さんが入ってくれることが僕らにとってはすべてで、それは何にも変えられない。ドームをやらせてもらって改めてこの気持ちを確認できたのは大きかった。
その東京ドーム公演は、4月に続き、全国ツアー最終日の10月にも開催。観客として見に来た志村けんが自身のブログで「5人の若者が5万5000人の心を1つにさせて元気を与えてる」と絶賛するほど多彩な演出で、充実した内容だった。動員に貢献したのは、近年勢いを増しているソロ活動だ。
07年の僕らにとって何が一番大きかったかというと、(松本潤出演の)『花より男子2』だと思います。このドラマを見て新たにコンサートに来てくれた人が増えたように思います。つまり『花男』は、嵐の着火点。同じ1月期の放送でしたが、『拝啓、父上様』(編集部注/二宮主演のドラマ。倉本聰脚本)でないことは確かです(笑)。
いや、誤解ないように言うと、『拝啓~』や『硫黄島からの手紙』(二宮出演のハリウッド映画)をきっかけに僕らを新たに認識してくれるようになった人はいると思いますが、その方たちはまだ、コンサートまで見に来ていないような気がする(笑)。僕は、巣鴨(おばあちゃんの原宿といわれる熟年が集う街。東京都豊島区)では絶大な人気なんですよ! ロケしていると力士並みに体をバンバン叩かれますから。地蔵みたいに触られまくって大変なんですよ。
話を戻すと、やっぱり『花より男子』とか『天才!志村どうぶつ園』(相葉雅紀が出演するバラエティ)を見て、コンサート会場に足を運んでくれるようになったと思っています。でも、そうやって個々のファンとして見に来てくれて、結果的に嵐というグループ全体を好きになってくれたような気がします。
ソロ活動は、数だけでなく、個性をより明確にさせた。
王子様的な雰囲気を持つ松本潤は、『花より男子』や『バンビ~ノ!』のヒットで10代ファンを拡大する一方で、『an・an』でセミヌードを披露。セクシーな一面を見せ、年上世代の女性を釘付けにした。二宮和也は、映画『硫黄島からの手紙』やドラマ『拝啓、父上様』での演技が評価され、「U-25」世代のトップ俳優として浸透しつつある。
相葉雅紀は『天才!志村どうぶつ園』で、いじられキャラとしてバラエティ面での適性を存分に発揮。子どもから熟年層まで幅広い認知度を持つ。報道番組『NEWS ZERO』でキャスターを務めるのは、櫻井翔。慶応大経済学部卒という知的で実直な素顔は、「ニュースの顔」として定着しはじめている。リーダーの大野智は、舞台俳優として着々
1年間を通して、それぞれのキャラクターがくっきりしてきたのは確かです。そこで面白いのは、僕らのリーダーは「何にもやっていない」と言われること(笑)。だって、実際はコンサートですごいダンスを見せたり、歌番組に出ればほとんどメインで歌ったりしてるのに、「何にもやっていない」って言われちゃう。でも裏を返せば、それくらい07年は個々の活動が活発に際立っていたということ。
個々の特徴といえば、本誌07年9月号で嵐全員が登場したとき、編集部の視点でメンバーを解説した記事を掲載した。それを彼らは“活用”してくれたようだ。
この号、コンサートのMCで使わせてもらったんです。それぞれについて客観的に分析されているのが興味深くて、本番中だっていうのに、ついついみんなで本気で回し読みしちゃった(笑)。素直に受け取れない人たちの集まりが嵐なので、照れ隠しもあって、ステージ上では「そんなことねーよ!」ってツッコミながら読ませてもらいました。すいませんでした。
「この1年で一番変化があったメンバーは誰か」と聞いてみた。二宮の答えは…。
翔くん。もともと彼は人見知りなので、『山田太郎ものがたり』で一緒になったとき、その壁をとっぱらおうと思ったら、ちょっと方向を間違えてしまって、いじられ役の面白い人になりました。
翔くんは、『山田太郎~』では何でもできる器用な役でしたが、実際の本人とのギャップがあったんですよ。ダーツとかも、一発で真ん中にドンと入るような役なのに、実際には刺さるまでに20分以上かかったりする。なのに、『東京フレンドパークⅡ』(のダーツ)で商品の車を当てちゃうようなミラクルもあったりして、07年の彼は、妙に神がかっていましたね。「嵐がきてる」って言われたのは、もしかしたら翔くんのおかげじゃないかって思うくらい(笑)。
お互いに気兼ねなくツッコミ合える仲の良さは、ジャニーズの中でも1、2を争うほどで、グループの特徴にもなっている。以前、本誌で櫻井が「嵐は友達であり家族」と語ったが、それぞれがソロ活動に全力で打ち込むことができるのは、戻る場所があるからこそなのだろう。
僕らは、お互いのために何でもできるっていう気持ちがあります。「あの人がケガして出られないなら、俺が行きます」とか、「あの人の都合がつかないなら、俺で」とか、何の駆け引きもなく、自然に言える。信頼しあっているから、好きなことをのびのびやれるし、帰ってくる場所があるから、「好きなことをやっておいで」っていう気持ちになれる。
1年目からそういうつもりでしたが、8年目になってそれが自然にできるようになりました。最初のうちは、個々が「他のメンバーに迷惑かけちゃいけない」って思うあまり、肩ひじ張っていた部分がありましたが、今はそういう気持ちは口に出さなくても伝わっている。年月を重ねてきたことでついてきた結果です。
全国ツアーの最終公演の後に乾杯をしたんですけど、翔くんは『NEWS ZERO』の出演でいなかったんです。でも、「翔くんがいなくても、また今度でいっか」って言えるようになったのがグループとしてはすごく大きな一歩です。
0 件のコメント:
コメントを投稿