2007年8月4日土曜日

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インディーズ的活動でファン層と自身の幅を拡大
  Date: 2007.08.04.
  From: 日経エンタテインメント! 126号
  By: 遠藤敏文 編集部
  URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200709/index.html


デビュー8年前目に突入した嵐が勢いに乗っている。7月11日に発売したニューアルバム『Time』1週間で18万枚強のセールス。前作の2倍という好スタートとなった。昨年の台湾、韓国での単独公演に続き、今年は東京と大阪で初のドーム公演も開催。二宮和也、櫻井翔が出演するドラマ『山田太郎ものがたり』(TBS系)は今期の平均視聴率でトップ(7月26日時点)を走るなど、ソロ活動も絶好調だ。

99年、ハワイで会見を開いて華々しいデビューを飾った彼らだが、これまでずっと“王道”を歩いてきたわけではない。転機は02年のこと。それまでの所属レコード会社を離れ、新設されたプライベートレーベルのジェイ・ストームに移籍。ここから、ジャニーズアイドルとしては異色の“インディーズ的”活動を強めはじめた。


ジャニーズで初めて本格的にラップを取り入れたのが彼ら。ジェイ・ストームからの初シングル『a Day in Our life』はスケボーキングのSHUN、SHUYAが作詞作曲を手がけ、さらにヒップホップ色の強い楽曲となった。ジャケットには本人たちの写真もなく、あえてチープに作られたビニール袋入り。価格は当時としては異例の500円だった。

同時期からメンバー出演による映画製作もスタート。しかし、堤幸彦が監督を務めた第1作『ピカ☆ンチ』は当初東京グローブ座のみの公開(のちに2ヵ所追加)。ミニシアター作品のような展開だった。

テレビでも、彼らの“インディーズぶり”は際立った。02年に始まった『Cの嵐!』(日テレ系)は、役所や企業のクレーム処理をメンバーが代行するというもの。なんらかの原因で怒っている人を相手に、1人で事情説明に行く。スタッフは遠巻きにその様子をカメラで収めるだけ。時にはメンバーが苦情主に土下座をする場面も放送された。

この番組以降、現在放送中の『嵐の宿題くん』まで彼らの出演番組を手がける秋丸桃香氏は「それまでカッコいい、かわいいと言われていた彼らにとって未知の体験。でも、徐々にどうしたら番組が面白くなるか、制作者マインドを理解してくれるようになった」と言う。

番組は嵐が記者となって取材に行く『Dの嵐!』、頑張る人を応援する『Gの嵐!』と変わるが、こちらも性同一性障害や薬物依存症の更生施設といった社会派の題材や、マイナースポーツやアキバ系などのサブカルネタが中心だった。

こうした作品に携わることでジャニーズ、つまり男性アイドルやメジャーカルチャーに興味がない層から「嵐は面白い」との評価を高める。秋丸氏は「『Dの嵐!』のころから、男性の投書が増え始めた」と言う。『CUT』『ピクトアップ』といったカルチャー誌の表紙に、数多く起用されたのもその証だ。

近年充実しているその活動もファンの幅を広げている。二宮和也は映画『硫黄島からの手紙』でハリウッドデビューを果たし、大野智は年1本ペースで舞台に出演。それぞれ高い評価を得て、映画・演劇ファンからも一目置かれる存在となっている。テレビでは『天才!志村どうぶつ園』で相葉雅紀が子どもや親層に浸透、櫻井翔は『NEWS ZERO』(ともに日テレ系)のキャスターを務めて中高年層にも知名度を高めた。松本潤はドラマ『花より男子』『バンビ~ノ!』のヒットによって、10代に改めてその存在をアピールしている。


こうしてファンを拡大してきた彼らだが、ここ最近はさらに勢いを増している。その理由は、幅広い層を満足させる王道の作品作りに改めて取り組んでいることにありそうだ。小倉智昭とともに司会を務める『嵐の宿題くん』は、タレントをゲストに招いてトークを繰り広げるスタジオバラエティ。今年4月の映画『黄色い涙』は昭和30年代を舞台に団塊世代も楽しめる作品だ。公開館数は全国約80館にまで広がった。音楽面でも、最近のシングルはラップのない覚えやすいメロディーの曲が目立つ。

今年3月、19時台に放送された特別番組『驚きの嵐!世紀の実験SP』は視聴率15.8%を記録。ゴールデンタイムではまだグループの冠番組がないが、これも遠くない将来に実現しそうな予感をさせる。女性ファンはもちろん、子どもからサブカル好きの男性までを楽しませる真の国民的アイドルに、嵐は近づきつつある。






“ニューオーソドックス”を確立した嵐
  Date: 2007.08.04.
  From: 日経エンタテインメント! 126号
  By: 市川哲史
  URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200709/index.html


昨年の春頃だったか、スガ シカオと意気投合した「今いちばん面白いのは嵐!」説に呼応するかのように、セールス的にも作品的にも現在の嵐は充実している。

10cc的な上質の英国ポップスを思わせた05年11月リリースの『WISH』以降、サウンドアレンジに違いはあれど、特にシングルは最新曲『We can make it!』に至るまで、毎回毎回クリアでヌケが良い楽曲ばかりだ。

奇をてらった飛び道具的な要素とは一切無縁で、ひたすら気持ち良いメロとヴォーカルが印象に残る、優秀な“大人のアイドルJポップ”として成立しつつある。

もともと、各人のマニア的資質から「脱アイドル」を志して、実はあれこれ音楽的冒険を重ねてきた嵐だが、ここ1年半は変化球を自粛した観があった。結果的に他のグループが音楽的に「非ジャニーズ」的なものに向かった分、実は直球でオーソドックスなものが最も「個性」として際立つという、逆転現象が生まれたように映る。

嵐はまさに“ニューオーソドックス”、もしくは“2度目のアイドルデビュー”なのかも。


そして、そうした正統路線に不可欠な「グループ感」もまた、嵐の武器だ。各人の声質の融合ぐあいがいい上に、とにかく5人仲よしなのが大きい。アイドルのみならずバンドを含めても、ここまで仲がよい集団は、珍しい。

それだけに、各々が課外活動にどんなに本気モードで邁進しようとも、“5人でいること=嵐であること”を常に意識しているだけあって、楽曲にしてもライヴにしても嵐ならではの「一体感」に満ち満ちているように映る。

こうして分析してみると、おそろしく「当たり前」のことばかりなのだが、当たり前が個性として成立する時代というのも、なかなか興味深かったりする。

嵐は“懐かし新しい”のだ。






波に乗る5人を直撃! 嵐は何が変わった?
相葉雅紀

  Date: 2007.08.04.
  From: 日経エンタテインメント! 126号
  By: 遠藤敏文 編集部
  URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200709/index.html


発言・行動ともに人前ではどこかアブなっかしい一面を持ち、バラエティ番組のいじられ役として人気を高めているのがこの人。19時台の放送のため、学生やサラリーマンなどは目にする機会が少ないかもしれないが、『天才!志村どうぶつ園』(日テレ系)に出演していることから子どもや熟年層の認知度は想像以上に高い。嵐の人気の裾野を広げるカギを握る。



ここ1~2年で変わったことがあります。改編期に特番をやらせてもらえるようになったこと。テレビ局にとって勝負の時期に僕らに声がかかるようになったことはグループにとって大きな一歩です。

僕らは事務所の中でデビュー順的にちょうど真ん中くらいに位置するグループ。ここ数年は後輩たちもどんどん活躍するようになっていて、それに対しては正直、悔しいと感じたこともありました。でも一方で彼らに学ぶこともある。先輩も後輩も、僕らは現役で活躍している人がすぐそばに大勢いる。それがいつも心のどこかでバネになっている気がします。

最近はニノが海外で評価されたり、翔ちゃんがニュースをやるようになったり、それぞれの個性がいい感じに展開していますが、僕らって「何でもこなすこと」が仕事であり、特徴でもあると思うので、今後もいろんな分野に出没すると思います。昨年ジャニーさんに「過去は振り返ってもしょうがない。あなたたちには未来しかないから」と言われたことがすごく心に残っているんです。そうですよね。新しいこと、しないと!






波に乗る5人を直撃! 嵐は何が変わった?
櫻井 翔

  Date: 2007.08.04.
  From: 日経エンタテインメント! 126号
  By: 遠藤敏文 編集部
  URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200709/index.html


嵐が出演するテレビ番組では司会進行を務め、グループ全体をリードする役割を担ってきた。俳優としてもドラマや映画に多数出演。慶應義塾大学経済学部を卒業した知性派で、報道番組でキャスターも務める。音楽面ではラップ部分の作詞を手がけるなど、幅広いジャンルで才能を開花させている。



最近、取材を受けるたびに「今嵐が来てる」って言われるんですよ(笑)。仮に、今本当に僕らに波が来ているとすれば、これまでの経験が無駄ではなかったっていうことでしょうね。

嵐の特徴は人間くさいところかと思います。アホなこともいっぱいやってきたから、身近に感じてくれる人が多いのかなあ。最近たどり着いた結論ですけど、友達であり、仕事仲間であり、家族でもあるのが、僕にとっての嵐です。

そう思うようになったきっかけは、去年アジアツアーに行ったことが大きかった。期待と不安が両方あったんですけど、ステージ上でメンバーが考えていることが感覚として共有できた気がしたんです。二宮のハリウッドも嵐にとって大きなプラスになりました。っていうのも、2ヶ月くらい二宮以外の4人で過ごす時期が多かったので、「5人で嵐なんだ」っていう思いが一層強くなったから。今思えば、2006年からの1年間は嵐にとって変化の年でした。

10周年を迎えたときに自分たちがどうなっていたいかっていったら、変わらないでいたいって思います。実際、今の自分らのことを最高だと思い続けているので(笑)。






波に乗る5人を直撃! 嵐は何が変わった?
大野 智

  Date: 2007.08.04.
  From: 日経エンタテインメント! 126号
  By: 遠藤敏文 編集部
  URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200709/index.html


サービス精神旺盛な者が多いジャニーズのタレントの中では、常にやる気を疑いたくなるほど異色の“おっとりキャラ”。しかし、リードボーカルとして嵐の音楽面を支え、ステージに立てば事務所でもトップクラスといわれるキレのいいダンスを見せる。活動の中心はテレビより舞台。プライベートでは絵を描くことや立体造形が趣味と、わが道をゆくアート系。グループのリーダーでもある。



今年春の東京ドーム公演のとき、不思議な感じを受けました。お客さんの印象が今までと違って、全体的に落ち着いた雰囲気だった。それが新しいお客さんが増えたせいだったらうれしいですね。

僕は嵐のリーダーと言われてはいますが、みんなを引っ張っていくのは得意じゃないし、考えたら何も貢献してないかもしれない(笑)。あえて役割を言うなら「見守り役」かなぁ。でも「ものづくり」は好きなんですよ。1つのことに集中して生まれる達成感が好きで、そのためならつらくてもがまんできる。今は年1本ペースで舞台をやらせてもらってますが、僕はこれくらいがちょうどいい(笑)。

ドーム公演のときに久しぶりに社長と話したんですが、最近社長の発言やギャグが心から面白いと思えるようになった自分の変化にちょっとビックリしています(笑)。改めてすごいと思ったのは、何を聞いても即答だし、迷いがないこと。しかも舞台裏では、社長なのに走ってるんですよ(笑)。僕も年ととるほど、ああいう面白い人になりたいです。






波に乗る5人を直撃! 嵐は何が変わった?
二宮和也

  Date: 2007.08.04.
  From: 日経エンタテインメント! 126号
  By: 遠藤敏文 編集部
  URL: http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/200709/index.html


デビュー当初から数々のテレビドラマに出演。映画『硫黄島からの手紙』や倉本聰脚本のドラマ『拝啓、父上様』(フジ系)での演技が評価を受け、俳優としての注目度が日増しに高まっている。一歩引いたところからグループを傍観する一面があり、メンバーの中ではツッコミ役にまわることが多い。



ジャニーズの中での嵐の位置付けは「中堅」。ほかのグループと比べてどんな特徴があるかっていうのは、自分では分からないです。そういうことは見ている人に任せてます。だって、変に自分たちで意識して、「俺たちはこういうグループだ」って考えたりすると、見てくれる人の考え方と違ったときにフラストレーションがたまるじゃないですか。それはもったいないと思うんです。

最近、まわりの人から「今、嵐に波が来てるね」って言われるんですけど、それも分からなくて。「どうしたら輝けるか」とか、それが分かっていたら、デビュー当時からやっていましたよ(笑)。

今は、やらなければいけないことのほうが多くて、やってみたいことっていうのはあんまり考えないです。多分、現状で満足しているっていうことでしょうね。今までも、「これがやりたくてやった」っていうよりも、「やってみたら楽しかった」っていうことばっかりでしたから。

僕にとっては、目標を立てたり、過去を振り返ることよりも、目の前のものに一生懸命取り組むことが一番大事。振り返るのは死ぬ間際でいいんじゃないですかね(笑)。

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