e+ Theatrix! 『カリギュラ Caligula』特集
e+ special interview 小栗旬
Date: 2007.08.27.
From: http://eplus.jp/
By: 田中里津子
URL: http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/caligula.html
IN: 改めて、蜷川演出の面白さ、やりがい、難しさとは。
蜷川さんの芝居は、エネルギーとの戦いなので。とりあえず自分のなかにそういう、カリギュラの場合だともちろん負のエネルギーもあるけど、愛の深さとかを、稽古中にどのくらい蓄えられるかの勝負だと思う。あと、難しい作品を相手にする時って、どうしても肩に力が入ってしまうんですが、そうするとノドにも力が入って、いい声が客席に届けられなくなる。一番気をつけたいのは、そこかな。きれいな声を客席に届けたいということは、蜷川さんもすごく大事にしている部分ですから。
IN: 蜷川さん演出の舞台に立つ時、いつも意識していることが、そこですか。
『タイタス・アンドロニカス』(2006年)の時からですけどね。それ以前は、そんなことを考える余裕もなく、ただ目の前にあることを一生懸命やるだけだったんで。
IN: 『タイタス』以降、小栗さん自身の意識が変わったということですか?
『タイタス』の時に初めて、「あ、こうすれば、声ってラクに出せるんだ」って感覚が少しわかったんです。そういうことなら、ボイストレーナーに通えばいいじゃないかって話ですけど(笑)。僕、あんまりそういうのは好きじゃなくて。
IN: (笑)。そうなんですか。
いや、わかってるんですよ、プロとして本当ならばそういうことをしたほうが早道だし、正解だってことは十分わかってはいるんですけど。基本的に、人に教えられるってことがあまり好きじゃないんですよ(笑)。
IN: 自分で探したい。
そうなんです。だから、今の声の出し方も独自のもので。自分なりに「吉田鋼太郎に負けない声を手に入れたい!」と思って、今も模索し続けている状態なんです。でもこの間、『お気に召すまま』を松本潤くんが観に来てくれて、「セリフまわしが相当うまくなったねー」って。「俺がたぶん今、シェイクスピアのこの台本で、このセリフ読めって言われてもあんなにきれいに読めないや」って言われて。それで一応、自分のやってることはなんとなく形になってきているんだなと。
IN: それって、かなりうれしかったんじゃないですか?
うん、マツジュンってあまり人のことをホメないタイプだからよけいに(笑)。その代わり、ラストのダンスはふざけてるのかって言われましたけどね。「俺は踊る身として、あれは許せない!」って(笑)。
IN: そういえば『カリギュラ』にも"ダンス"という形ではないかもしれませんが、ちょっとした見せ場がありますよね。
原作では「『白鳥の湖』みたいな、バレエダンサーのような格好をしたカリギュラが出てくる」とあったし、新訳のほうでは「あやしいヴィーナスのような格好をして出てくる」って書いてあって。たぶん今回は……、もう全裸ギリギリみたいなレベルになるんじゃないかな。きっと、巨匠はそう考えるんじゃないかという僕の勝手な予想ですが(笑)。今のところ、その巨匠・蜷川さんから言われていることは「とにかくカッコよくしてくれ」と、それだけ。僕自身も、同世代の役者が観に来た時、嫉妬されるような舞台にしたいなとは思いますね。
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