Vingtaine HOMME 「男の肖像」 Vol.4
渇望と不器用さの狭間で
Date: 2007.02.10.
From: ヴァンテーヌ 210号
By: なかおちぐさ
URL: http://www1.hfm.co.jp/vingtaine/mag/index.php?id=755
「どうやって本質を語らずに逃げようかって、さっきまで考えてました…」と彼は笑った。
今年1月には、主演映画『僕は妹に恋をする』が公開され、主演を務める連続ドラマ『花より男子2(リターンズ)』も現在好評放送中。アイドルとであるとともに演じ手として注目を集める松本 潤という存在の、純粋でありながら一筋縄ではいかない魅力の源流…。
俺、表面的なものに一切、魅力を感じないんですよ。一見、すごくキレイに見えても、実は内側は汚かったりって、どこにでもあること。物事って、多面的だし複雑…。
たとえば、友達が相談に来て、俺が答えるとする。俺は、その友達を助けたくて、いろいろ言うわけだけど。どこか、優越感や、アドバイスすることで満足感を得ているのかもしれない…。「次は、自分が助けてもらえるかも」という打算も働くのかもしれない…。もちろん、その場でそんなこと、実際には考えないよ。でも、そうした面もはらんでいるというのは事実でしょ。
…だからこそ、俺は、相手のなかの「いいもの」に触れたとき、すごく気持ちが動く。たとえば、どんなに厳しい言葉でも、愛があれば、言ってもらえるとうれしいし。…ドラマの現場でADさんが、走って行く姿が見えて、戻ってきたと思ったら、お茶をもってきてくれてて。もってきてくれただけでも、うれしいけど。走って行く姿を見てると、なおさらうれしいじゃない? そういうこと。
気持ちを表現するのは…プライベートの俺はどうだろ…『花より男子』の道明寺に似てるかも。周りの人を見てると「どうして俺は、こんなに素直じゃないんだろ」とか思ったりもする。でも、ホントのとこは、自分じゃ自分のこと、もっのすごく素直だと思ってるんですよ。だって俺、自分の感性で動くし、気持ち隠さないもの。つまり、「俺として素直」というか…。相手に気持ちが伝わるかどうかは別。むしろ、伝わらないことが多い。コミュニケーションとるつもりで女の子に「太った?」とか言っちゃって後悔するのも日常茶飯事。気持ちを言葉にするのが、特に苦手。いらないことは、いっぱい言える自信があるけど、肝心なことは口に出せない…。「ありがとう」の言葉さえ、気持ちはあるのに、搾り出すようにしか言えないときもある…。
好きな人ができたとしても「好き」とはあんまり言わない。将棋でいえば、最後の「王手」は指さないで「参りました」と言わせるみたいな…。でも、相手に言わせて楽しんでるわけじゃない。ホンネは「お願いだから、察してください…」なんですよ。だって俺、「可愛いね」とも言えなくて「その服、可愛いね」と言うのが精いっぱいだもの…。「好き」なんて、どんな表情して、どんな声で言ったらいいかわからない。で…普通、「その服、可愛いね」で、俺が相手のことを好きだなんて思ってはもらえないわけで…。
言葉にできない分、50個でも100個でも喜ぶコトをしてあげようとも思うけど、実際、できてるかどうかは微妙。人が優しくするところで、優しくできなかったりもする…。
恋愛に限らず、基本的に俺、人との間に最初、壁を作りがちなんですよね…。1回とっぱらっちゃえば、あとは大丈夫なんだけど。一歩踏み出すのに、何かを越えるような感覚がいつもあって…。で、かまってはほしいけど、かまわれすぎるのは、しんどいみたいな。…結局、俺、わがままなんですよ(笑)。
特に、「たった今」は…恋愛については、自分勝手な願望が強いかも。求められても、応えるキャパはないかもしれない。去年から今年にかけて、舞台、映画、ドラマ、『嵐』のコンサート、アジアツアーと、ステキな仕事をたくさんやらせてもらって、いい形にもなってきてる状況があって。今は、自分のことを考えたり、自分のために使う時間を大事にしたい、そんな気分なんです。
俺がどんな人間か? 客観視したことないからわからないけど…少なくとも、楽に生きたいと思ったことはない。そもそも、生きるってこと自体が大変なことでしょ。だったら、立ち向かわなきゃ、進まなきゃって思ってる。もし、間違ったら戻ればいいことで、とどまることは罪だとさえ思う。…俺は、いつも「もっと、もっと」って何かを求めながら生きてる欲望の深い人間なんですよ。
恋人の条件? いちばん大事なのは、いっしょにいられるかどうかだと思う。でも、相手が自分にとって、「楽かどうか」を第一に求めたりはしない。それよりも、「いいな」と思える刺激だったり、お互いの関係性を理解し合えることが大事。
もちろん、女の人のことを守ってあげたいとは思う。けど、その一方で、守るだけが愛じゃない、突き放すことも愛だと思っていて。
ホントは…突き放してもなお、気持ちが寄り添い合えるような、誰かとのすごく深い関係性を求めてる…。
ファンとの関係だって同じ。注目されたり、必要としてもらえることは、すごくうれしいことだし、俺自身が勇気をもらえたり、助けられることももちろんある。でも、俺は、「偶像」になるつもりはなくて。求められるからって、自分に嘘はつきたくはない。もしかして、「思っている松本 潤」と「ホントの俺」との違いが見えたとき、去っていく人もいるかもしれない。寂しいことだけど、それでもいいと、俺は思っていて…。
人生を先の見えない1本の道にたとえると、俺を見てくださってる方たちも、自身の人生の道を懸命に歩いていらっしゃるんだと思う。その過程で、俺という人間を必要としてくださる時期があって触れ合うことができてる。その方たちの人生がホントであるのと同じように、俺は俺で、自分が生きるために仕事をするし、自分がなりたい自分になろうと思って進む。ホントの自分でいることが、ファンの方に対しても、俺自身に対しても誠意だと思う。それでこそ、リアルな深い関係性が築けると…。
第一…じゃぁ、俺の本質的なすごい深い部分を「誰がわかるか?」っていったら、23年間育ててくれた親だってわからない部分、あると思うし。完璧に理解できる人なんて、多分いない…。でも、だからこそ、せめて、俺は俺でいたいんですよ。基本設定の欲望の深さの傍らで、実は臆病だったり、弱かったりもする自分のすべてを肯定しながら進み続けたい。その過程で生まれる、絶対的に確かな、誰かとの深い関係性を信じながら…。
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