役者のコントラストが織りなす、『黄色い涙』の魅力
Date: 2007.03.31.
From: H 94号
By: 吉村紗矢香
犬童一心監督が「『黄色い涙』は嵐の映画を作ったという感覚でもある」と言うとおり、この作品は、嵐の映画だと思う。監督が本当に嵐を撮りたかったんだなぁとわかるし、彼らの自然な一体感や距離感、居心地のよさも伝わってくる。それが演出や演技にわかりやすく表現されているというわけではないのに、何か特別な、親密な空気みたいなものが感じられて、それがこの作品の根幹になっていると思った。でも、それだけがこの映画のすべてではない、彼らの作り出す作品の基盤となるトーンがあったからこそ生きてきたもの、それは、脇を彩る女優たちだ。
ヒロインである食堂「さかえ屋」の看板娘に香椎由宇、二宮演じる栄介の元恋人に田畑智子、栄介の妹に韓英恵、大野演じる圭が思いを寄せる謎の美少女に高橋真唯。酒を飲み、夢を語り合い、その日暮らしの生活を送る男たちの青春が描かれていく中で、スパイス的に存在感を放つ実力派若手女優たちが、効果的に登場する。中心となる役者たちが醸し出す、一貫した心地よいトーンがあったからこそ、うまくコントラストになって彼女たちはより存在感を得ていると思う。そしてまた同時に、彼女たちの輝きによって彼らの一体感、存在感が増して、この作品をさらに魅力的なものにしている。
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