2008年12月29日月曜日

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08年ヒット動向!! ヒット作と期待はずれ作の傾向とは
  Date: 2008.12.29.
  From: http://www.oricon.co.jp/
  URL: http://www.oricon.co.jp/news/movie/61504/


 2008年の映画のヒット動向を見てみると、そこには明らかにひとつの傾向が現われていた。それは、人気テレビドラマの映画化作品が圧倒的な支持を受けていたことだ。『花より男子 ファイナル』(興収77億5000万円)『容疑者Xの献身』(50億円)『相棒−劇場版−』(44億4000万円)などが、その典型的な作品といえる。

 もともと人気のあるドラマなのだから、その映画化作品がヒットしても何ら不思議ではない。しかし注目したいのは、そのヒットのボリュームだ。前述の3本ともが、予想をかなり上回る成績を残している。一度火がつくと、話題性が大きく広がっていき、動員が加速化していくのが、今年の人気テレビドラマの映画化作品に顕著だった。人々の認知度が圧倒的であり、なおかつ、作品評価が高いと、成績は予想もつかないところまで膨らんでいく。これはいわば、勝ち組はとことん勝ち組になることを示している。

■意外なヒットとなった作品それぞれの要因

 ただ08年は、そうしたヒットのボリューム化現象とは別に、本当に意外な当たり方をした作品も何本かあった。その最たる作品が、数々の映画賞にも輝いている『おくりびと』だろう。この作品は、最終的な興収で30億円(推定)を記録した。これは、邦画と洋画を合わせた今年の作品別興収では、16位に位置する。この正月興行も続映中の『レッドクリフ PartI』(48〜50億円)も瞠目すべき成績となり、意外な大ヒットの特筆すべき作品となった。

 『おくりびと』は、モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞してから、マスコミが大きく取り上げ、一気に話題が広がった。もともと中身の評判は良く、それを海外の映画祭が正当に評価し、マスコミを通して一般の人々は作品の存在を知り、関心を高めていった。こうした経緯を経てヒットを築いていくことは、やはり作品の中身が充実していないと、なかなかできることではない。それをいち早く、海外の映画祭が認めたのだから、海外評価もバカにしたものではない。

 『レッドクリフ〜』は、『三国志』のちょっとしたブームを背景に、大迫力の宣伝展開が功を奏した。映画興行における宣伝の重要性を改めて知らしめたた意味は、かなり大きかったといえよう。

 そのほかの意外なヒットといえば、チェーン公開作品ではない『パコと魔法の絵本』(24億円)『デトロイト・メタル・シティ』(23億円)などを挙げたい。前者は、これまでの中島哲也監督の諸作とは違って、ファミリー層にまで客層が広がったことが大きい。一風変わったファンタジー的な要素と、少女を中心とした温かい人間ドラマに、ヒットの大きな理由がある。後者は、破天荒なミュージシャンのドラマに関心がもたれたというより、若者の生き方の過激な二面性に人気の秘密があったのだろう。コミックをそのまま映画にしたような空気感と絶妙なキャスティング、音楽をうまくフィーチャーした仕上がりも見逃せない。

 また単館拡大興行では、5億円を超えた『アフタースクール』の健闘が目立った。奇想天外なストーリー展開に、若い観客たちは映画のおもしろさを感じたようだ。当代の個性派俳優共演も追い風になった。

■日米でのヒット作の違い

 一方で洋画は、期待はずれの興行成績のオンパレード。その最たる作品が、米国では『タイタニック』に次ぐ歴代2位の興行成績を記録した『ダークナイト』だろう。この作品は、映画評論家などの高い評価にも関わらず、日本では16億円に留まってしまった。もともと『バットマン』シリーズは、日本ではそれほど好成績を上げるわけではないから、順当な成績でもあるわけだが、米国での異例の大ヒットぶりが、過度な期待感を生み出すことにつながってしまった。

 なので正当に見れば悪い成績ではないのだが、米国での空前の大ヒットや期待感からすると、不入りということになる。『バットマン』シリーズの興行的な難しさはもちろんのこと、作品の暗いイメージと内容面に暴力的な要素が強かったことが、日本の、とくに女性層からの大きな支持を得られなかった理由のひとつだろう。米製のヒーロー劇に、おもしろさを感じなくなった若者層の動向も見逃せない。

 これらのほか、邦洋画込みでは、『スピード・レーサー』『アイアンマン』『最後の初恋』『少林少女』『ホームレス中学生』『櫻の園』などが、期待ほどの成績を残せなかった作品として挙げられる。期待度があるだけ、作品として注目され話題を作っているということだから、数多くの上映作品がひしめくなかで健闘したという見方もある。しかし、ヒット作品の数が少ないだけに残念な結果といわざるを得ない。さて09年は、いかなるヒット作が登場してくるのだろうか。

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