Date: 2007.04.04.
From: キネマ旬報 1481号
By: 佐藤友紀
URL: http://www.kinejun.com/kinema/bkno/200704_02.html
蜷川幸雄演出、野田秀樹の「夢の遊眠社」時代の代表作『白夜の女
「でも自分でもすごく不思議だったのは、昭和38年というあの時代に生きたこともなければ一度も撮影現場に行けなかったのに、セットに入った途端、何とも居心地がいいというか、懐かしさすら感じたんです。置いてある道具の一つ一つが馴染みやすかったし。ふだんの僕は、台本を読み込んで、自分なりにあるイメージを持って撮影現場に向かうことが多いんだけど、それだと例えばテーブルに置いてある本一つとっても、『俺の考えてた方向と違ったな』と感じることもある。でも今回は純粋な好奇心で『あ、こういう世界観なんだ』と、身体一つで入っていけたというか。それを素直に受け入れていく作業が絶対必要だったと思うし、自分がスポンジのようにすべてを吸収して、そこで描いていくというのをやった。それって、相手役や共演者、つまり人間に対するリアクションと同じですね」
犬童一心監督は「本当に何も言わなかったし、テイク数も少なかった」とか。
「それこそ岩手弁に対しても注文はなかったし、俺の岩手弁を聞いて、監督は笑ってるんですよ。あんまり笑うもんだから、そのうち『ただ笑ってるのか、笑われているのかどっちなんだ?』と考えたくらいで」
森本レオや岸部シローといったキャスティングでTVドラマ化された時には存在しなかった祐二という役。
「栄介たちのように狭いアパートで夢を語り合う若者というのは、今の時代もいると思うんです。売れないミュージシャンとか。貧乏で食べる物も風呂もなくて。ただしそれが大部分じゃない。祐二はあの時代、日本って国が良くなれ、と思ってた多くの若者の代表で、それは現代でも普通に仕事をし、ぺーぺーなのに頑張っている客観的な目線の人々を代表しているんだと思う」
日頃、華やかな印象があると言われる彼が、真面目な勤労青年役というギャップに驚くが、浅黒いメイク、髪型を始め、当時のミスター明星や平凡、あるいは日活ニューフェースなどに選ばれた若者を連想させる思いがけないリアリティが面白い。ラストの祐二の意外な後日談も、ヒントが『映画の友』というのは同誌の元愛好者としては嬉しい限りで。そう言えば、大ヒットしたTVシリーズ『花より男子』でも、元々原作漫画を読んでいた松本は、道明寺司役ではなく、小栗旬が演じた花沢類役がオファーされるものと思っていたという。
「自分の中でも、どっかでそういう風に見られているという思いがあったんです。二枚目風とか。ふだんの自分は静だと思うんだけど、客観的に見てる人は動のイメージもあるらしく、自分という人間からその部分を見出して
松本は映画だけでなく、演劇、ダンス、美術、写真展と、積極的に観て回るフットワークの軽さでも知られている。もっとも今は、2クール連続のドラマ出演もあり、超多忙で「全然観られていない状態」。
「元々の性格的には色々観てないと自分の中のバランスも悪くなるし、乾いてきたりもするんだけど。今はこれまで観て感じたものを出し尽くす時期かな。全部発散させて、空っぽになるぐらい一回やってみることも大事なんでしょうね」
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