【合同インタビュー】
長澤まさみ、宮川大輔、樋口真嗣監督が語る冒険活劇
「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」のすべらない話
Date: 2008.05.08.
From: http://www.walkerplus.com/movie/
By: 大西愛
URL: http://www.walkerplus.com/movie/report/report6001.html
「オリジナルを観ながら思い描いた
隠し砦を再現してみました」(樋口監督)
「スター・ウォーズ」に影響を与えたことでも知られる黒澤明監督の傑作時代劇に、樋口真嗣監督が新たな息吹を吹き込んだ冒険アクション時代劇「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」。その公開を前に、ヒロイン雪姫役の長澤まさみと、松本潤演じる主人公・武蔵の相棒を務めた宮川大輔が、樋口監督とともに作品をアピール! 映画の見どころから壮絶撮影裏話まで本音トークで語ってくれたぞ。
オリジナル「隠し砦の三悪人」(’58)で黒澤明監督が目指した「理屈抜きで面白いスカッとする映画」の志を受け継ぎつつ、設定を大胆にアレンジし現代に通づる物語として甦らせた樋口真嗣監督。得意の特撮やVFXを駆使し豪華キャストが繰り広げる人間のドラマを迫力の映像で描出。オリジナルではあまり登場しなかった隠し砦ひとつとっても監督の思いが込められている。
「中学生ぐらいの時にオリジナルを初めて観たのですが、その時は『隠し砦の三悪人』というぐらいだから、どんな隠し砦が出てくるのかワクワクしながら観ていたんです。そしたらあっという間に火事で燃えて終わりだったんですね。だから今回はクライマックスに登場する山名の砦は、当時の僕が映画を観ながら思い描いた幻の隠し砦なんです」
権力の象徴となる砦はもちろんセット。そのスケールは臨場感あふれるアクションシーンで存分に楽しんでほしい。
「雪姫は自分の足で立ち
前へ進む事ができる強さがある」
(長澤まさみ)
時は戦国の世、隣国山名に攻め入られ陥落した小国秋月は、国の未来をひとりの姫に託す。新たな設定で撮りあげた本作では、主人公を黒澤版で三船敏郎が演じたサムライ真壁六郎太から、自由の象徴でもある山の民、武蔵に変更。主演の松本潤が今までのイメージを一新し、野性味あふれる男を熱演。長澤まさみ演じる雪姫との淡いロマンスも描かれる。そんなふたりとともに道中をともにするのが木こりの新八。隙あらば一行が運ぶ金塊を自分のものにしようとたくらむ欲望にまっすぐな新八を宮川大輔がコミカルに演じきっている。そこで、長澤まさみ&宮川大輔に自分が演じたキャラクターについて語ってもらった。
「姫という立場で暮らしていると、その生活が当たり前になってしまってなかなか人の気持ちまで考えられないと思うんですけど。雪姫は、自分の今いる状況を基準にするのではなく、自分の知らない世界があることを知っていて、それを受け入れようとする心の広い人だなって。それに彼女は強さと弱さを半分ずつ抱えている。そんなところは誰もが共感するんじゃないかな。すごいところは、最初は六郎太(阿部寛)や武蔵に支えられながらだけれども、最後は自分の足で立って前へ進む強さを持っているところ。自分にはない部分だったのでカッコイイなと思いました」(長澤)
「新八の、酒、飯、女、というのはすごくよくわかる。芸人もどこかそういうところあるんですよね。それが芸になっているし、そういう意味では自分自身とかぶるところが多かったですね」(宮川)
劇中では、武蔵を演じた松本潤との絶妙なやりとりを見せた彼に、その秘訣を聞いてみた。
「普段から僕がボケると潤がつっこむような関係で居られたので、その延長線上で演じていたという感覚。ラストの長まわしのシーンは4分半あったんですけど、あんなに長いとは! 最後はネタがつきて、海に飛び込んだりもしているんですけど。これがまた潤のほうが体力があるんです。どんどん彼が行ってしまうので、着いていくのが大変で、最後はゼーゼー言ってました(笑)」(宮川)
「武蔵役の松本潤はカイロの貼り付け
最高記録43枚でました」(宮川大輔)
さて、野生の勘と機転を武器に数々のピンチを乗り越えていく雪姫ご一行。男装に身を包んだ長澤まさみの雄々しい姿&迫力ある低音ボイスは、今までの彼女のイメージをガラリと変える。そこには彼女のこんな挑戦があった。
「(黒沢版は)50年も前の作品なのに全然色褪せていないんですね。白黒なんだけど不思議と色を感じさせるような作品で、自分の中でイメージがどんどん膨らんでいったんです。それに何よりカッコイイ! だからこの映画もカッコイイ映画にしたいなという気持ちで臨みました」
そう嬉しそうに語る彼女は、声を低くして欲しいと言う監督の要望にも見事応えキリッとした雪姫に。「決め台詞はカッコよく」と意識して頑張ったのだそう。
「時代劇の台詞は、現代劇のような普通な喋り方では薄っぺらくなってしまうんですね。少し堅苦しいかなと思うぐらいでいないと、言葉の重みが伝わらない。その辺を意識しながら、イメージは『暴れん坊将軍』で」とニッコリ。
そして話題はアクションならではの苦労話だったのだが、長澤まさみが思い出したように一言。
「樋口監督は、昼間のシーンを夜に撮るんです。そういう経験は初めてだったので驚きました」(長澤)
「冬場は陽が短くて撮影が終わっていかないので、夜まで撮影する日が続きましたね」(樋口)
「『あぁここまでがんばれば今日の撮影は終わりだ』と思っているところに、監督の『今日は夜までいっちゃいます』の声。それを聞いた時の落胆たらなかったですね(笑)。それに冬の撮影だったので本当に寒くて。宮川さんなんてほぼ布1枚って感じの衣装だったから大変だったと思います」(長澤)
「(大きく頷きながら)寒かったですね。足元が映らないシーンでは肉足袋を履いているのですが、映るシーンは素足にわらじ。あれはきつかったです」(宮川)
「そうそう寒いのでみんな衣装にカイロを貼ってたんですよ。潤なんて最後は最高記録を出してました。隙間なく貼って43枚。もう貼るところはないというぐらい隙間を見つけては貼ってましたね」(宮川)
「だからバァーッと走るシーンでは、撮り終えた後、足元を見ると白くて四角いモノがたくさん落ちてるんですよ。僕自身は全然大変ではなかったんですけど、時々スタッフやキャストから飛んでくるイラーっとした視線をスルーのは大変でした」(樋口)
「とはいえ今ではいい思い出なんですけどね(笑)」(長澤&宮川)
ここまで本音トークが飛び出すのも信頼関係があるからこそ、強く結束していたというキャスト陣の渾身の演技はぜひ劇場でご覧あれ!
最後に長澤まさみが、「正直、CGを使ったシーンは想像の世界だけで演じているので、不安な気持ちもありました。でも完成した映画を観たら、雰囲気があって、嘘っぽくなく、飽きさせない。本当に面白くてかっこいい映画になっていました。ぜひ映画館で楽しんで欲しいです」とPR。
敵国山名の目をすり抜け、雪姫たちは無事同盟国・早川にたどり着けるのか? そんなスリルあふれる冒険劇に、戦国の世の不条理な世界、アクション、ユーモア、そして淡いロマンス。これでもかと娯楽の要素がたっぷりと詰まった作品に仕上がった「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」。黒澤版と比較するだけなんてナンセンス! ありのままを味わって欲しい1作だ。
「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」で一国の命運を背負う雪姫を熱演した長澤まさみ。男装に身を包んだ凛々しい姿で華麗なる弓さばきを披露した。「弓を撃つのは自信があったので、そのシーンには心を注ぎました」と語る。彼女を指導した先生の話では、やぶさめと弓を射る微妙な所作の違いも意識して演じていたのだそう
「木こりの新八役に抜擢されました宮川大輔です」と挨拶した宮川大輔は、完成した作品を観て素直に楽しんだのだそう。「CGの事も気にならなかったし……、というよりそんな事忘れて観ちゃいました。スカッとするし、もう1度観たくなる。『これはすごい事になるんちゃうか』と思いましたね」
本作でも樋口真嗣監督の細部への“こだわり”は随所に散りばめられている。「阿部寛さん演じる真壁六郎太という強いサムライがいるんですけど『彼はどんな刀を持つんだろう?』と、特に鞘の部分はこだわっていろいろ試行錯誤したんですね。結果ボロ革でぐるぐる巻いたものすごくカッコイイ日本映画では見たことない見事なモノが出来上がって、小道具さんに思わずハグをしたんです。でも劇中でそれがクローズアップされるのはほんの一瞬。なぜなら藁のなかに隠してるから(笑)。これは計算ミスでした」と監督。ぜひ劇場で堪能して
写真左から宮川大輔、樋口真嗣監督、長澤まさみ。本音トークで終始会場を爆笑の渦に包みこんでいた「隠し砦の三悪人〜」ご一行。劇中同様、ムードメーカーとなっていた宮川大輔がすべらない話を披露していたぞ
隣国の山名に攻められ、陥落寸前の秋月。ひょんなことから、山の民の武蔵と木こりの新八が、秋月復興の軍資金である紋章入りの金塊を発見する。大喜びする彼らの前に秋月のサムライ大将、真壁と姫君の雪姫が現われる
黒澤版「隠し砦の三悪人」(’58)で三船敏郎が演じた真壁六郎太を演じるのは、阿部寛。敵対する山名のサムライ大将に椎名桔平が扮している。ふたりの因縁の対決にもご注目を!
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