2008年5月9日金曜日

review

「隠し砦の三悪人 THELAST PRINCESS」 (東宝、日本テレビほか)
クロサワ 逆輸入の面白さ

  Date: 2008.05.09.
  From: 読売新聞
  By: 福永聖二
  URL: http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/review/20080509et06.htm


 言わずと知れた黒沢明監督の痛快時代劇。「ローレライ」「日本沈没」と大がかりな特撮ものを手がけてきた樋口真嗣監督がリメークした。

 黒沢作品は、「スター・ウォーズ」にも影響を与えたことで知られるが、これは、逆に「スター・ウォーズ」を時代劇にしたよう。音楽が似ているし、山中の荒涼とした風景は惑星タトゥイーンそっくり。さらに、椎名桔平演じる黒ずくめの武将はダース・ベーダーそのものだ。

 領国を奪われた姫と腕利きの家臣に、欲に目がくらんだ民2人が加わり、決死の脱出行をするという大筋は、オリジナルとほぼ同じ。しかし、黒沢版では千秋実、藤原釜足が演じた欲張りで気弱な民を、松本潤、宮川大輔にしたことで、印象は大きく変わった。何より本作の主演は、決して気弱ではない、山の民役の松本。長澤まさみ演じる雪姫とのロマンスさえあり、姫を救うため縦横無尽に大活躍する。

 特撮の得意な樋口監督とあって、アクション場面はお手の物。テンポよく、迫力たっぷりに描かれる。人物造形に深みがないという見方もできる。しかし、面白ければ良いではないか。かつて三船敏郎が演じた腕利き家臣役の阿部寛も含め、思う存分楽しめる娯楽作にしようという、スタッフ、俳優たちの意気込みが伝わってくる。1時間58分。有楽町・日劇PLEXなど。

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